IMAONEニヨル、楽シクテ美シイ、ザ・ストリート・アートコート。
column 028
11月11日にオープンデーを迎えた東京都江戸川区松本第二児童遊園のアートコート。イベント当日は、RICKYによる、ストリートに出現している公園で、どうやって遊び、どうやってオピニオンしていくかのスキルを多分に含んだキッズクリニックと、DJ YOUと代表ABとの音とフーディング・ゲームによるパーチーチックな遊びなど、晩秋の冷たい空気を吹き飛ばす躍動感と盛り上がり。その回想録コラム。
Article_go parkey
Photography_Kenji Nakata
We are playground basketball residents like pikeys!!!
11月11日のオープンデーの江戸川プレイグラウンド、松本第二児童遊園。高架下のフェンスに囲まれたストリート感溢れる場所。その天井とフェンスと周辺環境にシンクロしたカラーリングのアートコート。それは、ほっとけばメタリックでアーバンな硬質な空間を、一転して楽しく明るく、それでいてやっぱり涼しげなストリート・フレーバーは漂わすものとなった。いわば、これまでのgo parkeyが手がけてきた素敵なアートコートとは、またひとつギアとかいうかチャンネルを変えたものとなった。もちろん、これもアートコート。その上に、ミューラルアートを手がけてきたIMAONEならではのエッセンスが散りばめられている。大久保公園のFATEもその雰囲気はあったけれど、あの壮大な都会の中の抜け感とは違う、この場所は良く言っても閉塞感的な、ブロック的な場所がかっこいい。というかウリでもある。IMAONEはそこをちゃんと汲み取って描いていったのだった。
今回はgo parkeyとしても意味深なプロジェクトだった。というのも、整地から下塗りなどをすべて自らの手で行ったからだ。これは今後、さらにプッシュしていく上でとても有意義な経験となった。インディペンデントしてプロジェクトをゴールできるスキルはいくら研鑽を積んでもいい。アーティストには多大な協力を要することになってしまったが、だからこそ美しく完成した日を共に迎えることができた瞬間、より感慨深いものがあった。大の大人、というかオヤジどもが人目もはばからずハグをする光景は、キッズにどう映ったのだろうか。良い風に映っているといいなと願ってやまない。今回のプロジェクトは、スポンサーとしてTRIVEとSPALDING JAPANが協賛してくれている。この厚意はとてもありがたく、1ヶ月に及ぶ工程とアーティストへのフォローを可能にしてくれた。もちろんその他のもろもろも。その後、イベントに参加してセッションしてもらうことで、アートコートの素晴らしさを実際に体感してもらった。
イベントの話に戻ろう。今回のキッズクリニック。マスターであるRICKYは、かつて自身が経験してきたNYCの名もなきストリートのプレイグラウンドを思い出してくれたかもしれない。実践するのは、その場の雰囲気にのまれてしまうのではなくアジャストしていく遊び方。この日は風もあって肌寒かった。しかし、RICKYによる鬼ごっこと椅子取りゲームとシューティングをミックスしたようなメニューで一気に盛り上がっていく。それに比例して、ABのMCとDJ YOUの音がハウリングしていく。さらに今回はコロナ禍があけたとあって、go parkeyがずっとやりたかったフーディング(海外のイベントでよく見る、主催者がキッズにお菓子を配るやつ)もやって、デリバリーバッグッを背負ったABはキッズを夢中にさせた。笑。なんとも微笑ましい光景だった。(お菓子は勿論市販のもので包装を解いていないものだけ)。そこに一役買ってくれたのが、go parkeyのイベントをサポートしてくれているパワープロジェクト制作の、IMAONEが描いたキャラクターをあしらったお面と風船たち。これは効果抜群だった。
今回はフーディング含めて、ブロックパーチーで盛り上がったけれども、途中、嵐の『ハピネス』や90sのヨーロッパを席巻したDoopを放り込んできてくれたDJ YOUのアシストが大きかった。キッズも大人も一緒になって、闇鍋じゃなくてごった煮でもなくて、カオスなくせに一体感というやつにDJの構成力で誘われていく。音楽の偉大さを改めて実感したのだった。そうやって、ちょっといつもより愉快になる。そんな空間だった。地元のキッズチーム・江戸川モンキーズも参加してくれて、RICKY考案のチームゲームでは、破竹の13連勝をして、ABのデリバリーバッグのお菓子をすっからかんにする勢いだった。とても楽しんで、そして勝つ、お菓子をもらう。さらには、そんな楽しさを知ったLOVE GAMERとして、この先、ここでのプレーやコミュニケーションに役立てていってほしい。きっと彼らはそうしてくれる。そう思えた瞬間だった。
今年は、9月から吉川のアクアパーク、10月半ばから江戸川の松本第二児童遊園と立て続けてにリノベーション&アートコート・プロジェクトを行った。疲れていないと言ったら嘘になるけれど、それでもやりたいことをやっている、それも正しく楽しくやっていく力が枯れることはない。それを改めて実感できた。加えて、多大な反省点とともに日進月歩であるにしてもスキルの向上ができた。この日本にはまだまだリノベーションを待っているコートやプレイグラウンドがある。そこに必要なペンキや工事、アーティストという最大のエナジー。それらを突き動かす予算。自治体の理解。スポンサーの協力。これらはどれが欠けても成立しない。ぶっちゃけ、フープがあってボールがあればバスケはできる。しかし、アートコートが持つ雰囲気や効果を一度実感すれば、なぜアートコートがあればいいかがわかってくる。go parkeyはさらに挑戦したい。もっとプッシュしたい。このストーリーは来年もその先も続いていく。ありがとうございます!