灼熱ノ8月30日回想録。NYCデ見タDIYCKMANカラ歌舞伎町HooK UPSヘ。ソノ余韻。

column 49

今回は、go parkeyによるナイトゲームであらためて攻め疲れることなく攻め続け、フープに向かっていく楽しさを再確認させてくれたRYOを主人公にしてみた私的コラム。

Article_go parkey

Photo_Hiroshi Sato

We are playground basketball residents like pikeys!!!

先日開催された歌舞伎町HooK UPSでのナイトゲームの余韻を少し書きたい。このイベントの前に、真夏のNYCでDYCKMANやRUCKER PARKでのサマーリーグで撮影したりしていた我々は、その高揚感のまま今イベントに突入していった。マイケル・パーカーがオーガナイズしてくれたMP3中心のチーム、Mo PARKERSをビジターとするなら、対するGo PARKEYSは一応、この歌舞伎町KDコートby FATEのホームチームとなる。といっても、すべてはノリというかgo parkeyによる寄せ集めチーム。もちろん寄せ集めといっても、ラブゲーマーかどうかのレッドラインはあるのだけれど、とにかくこの日にアートコートでミートアップ!という感じ。だから、チームというよりは塊っていう方が正しい。バスケが好きでプレイしたくてシュートしたくてたまらないっていう不安定分子の塊。そういう塊は見てて楽しい。転がり続けて、不格好でも格好良くても、どちらにしても絵の一部として美しく逞しく成立している。そんな中でも、この日のゲームではひときわ美しかったプレーヤーがいた。それがballaholicやチーム44でも知られるRYOだ。

真夏の新宿、歌舞伎町。青空がネオンに侵食され始める17時にゲームはスタート。アートコートがブルーナイトに染められていくのと同調するかのように、ゲームはビジターのMo PARKERSがリードを広げていった。とくに#3ローマンのアグレッシブなオフェンス能力は素晴らしい。ナイトゲームはコーチもリーダーもいない。あるのは全員が個人事業主ってやつでプレーとキャラクターとラブのみで編成されている。だから、流れとかそういうのも、自分たちでゲームチェンジャーするしかない。言葉ばっかりじゃなくて、自家発電でなんとかするのだ。良くも悪くもうっかりすると圧倒されそうになるシチュエーションで、「そうじゃないよね」って感じで本気で遊びはじめたのがKKとRYOのコンビだった。押し込まれれば押し込まれるほど、攻める時は(良い意味で)大事にいかない、攻め続けた。フープにアタックし続けた。そこら辺から、完全に歌舞伎町は夜とネオンが支配し、DJ COGEEの12インチのピッチと音量は上がっていった。

今回は、KDコートというだけあってNBAと同じ1Q12分、1ゲーム48分のレギュレーション。その長いゲームをほぼプレイし続けて、さらにはKKとともにアタックし続けたRYO。当然、ボールをリクエストし、ハンドルを繰り返せば、ターンオーバーもポロポロと出る。期待が大きい分、シュートがリムを弾けば、それは悪目立ちする。しかし、そんなムードも木っ端微塵に吹き飛ばし、ひたすら仕掛けてシュートするRYO。するとどうだろう。1本のタフショットをねじ込んだのを合図に、そのあとは得点のラッシュ。かつて、マジック・ジョンソンを擁したレイカーズの黄金時代。前半にまったく振るわずFGメイクがゼロに終わった絶不調のシューターのバイロン・スコットをパット・ライリー監督は「そんなの知らねえ。シュートは打たなきゃ入らないんだからいつも通り打てばよろしい」(というようなことを言ったとか言わなかったとか)と、後半も使い続けた。結果、ゲームは勝利しスコットのFG %は50%だった。後半は前半と同じだけ打ち続け、そのほとんどのシュートをメイクしたということだ。かつて、マイケルジョーダンが一度引退してから背番号45をつけてペイサーズ戦で復帰したとき、往年の彼なら平凡と言われてしまう19点しか取れなかったのに、やっぱりジョーダンはすごいと言われたのは、シュートアテンプツ(ボールを求め攻める)が20以上もあったこと。ミドルだけじゃなく、ドリブルついてイマジネーションするその攻め気と体力とタフさ。これがゲームでやるとなるとほんとに疲れる。トランジションの切り替えや走ることより、ボールもらいにいって、ボール要求して、ハンドル止めずにひたすら攻めるのが1番疲れる。1番タフ。さんざん攻めといて、最後にバテてボールから逃げるような攻めたがりはいらない。このラフでラギドなナイトゲームでRYOはそれをやりきった。

彼は疲れた表情を見せることなく、フロッピングで誤魔化すこともなく、最後までアタックした。攻め続けるかぎり、すべてはミスにはならない。最後まで競ったゲームには負けてしまったが(Mo PARKERS 98- Go PARKEYS 89)、ゲームハイの41点をスコアした。こちらは解説者でも評論家でもなんでもないので、ゲームに勝つためのアナライズをここでする気はない。ただ、公園バスケ、ナイトゲームでひたすら攻めることを楽しんでるRYOのようなプレーヤーをみると、年齢や技術とかに関係なく、「そう来なくっちゃ」と思ってしまう。攻め続ける楽しさと、それをプッシュする体力やタフさやメンタル。こういう部分を如実にわからせてくれるのが個人事業主的なピックアップゲームの醍醐味。セルフィッシュと簡単にくくってしまうものじゃなくて、全員が主人公になる舞台ということ。NYCで見たレベルが高すぎる(今夏は元NBAニックスのオールスター、ステフォン・マーブリーがジョインしていた)DYCKMANのようなナイトリーグではチームごとの戦術も当然あるだろうとは思うけど、やはり多くのオーディエンスが熱狂しているコート上では、それに化学反応して、すさまじいパフォーマンスやアイソレーションが展開される。そういう高揚感。群衆やそこにいる者を巻き込んでいってしまう想像外の出来事、シーン。それがナイトゲームにもある(もちろんプロのゲームとかはドラマの連続だ)。

今回のゲームではRYOがそれを見せつけてくれた。フィジカルの差、サイズの差、スピードの優劣などを超えていくのは、相手に向かっていきながら、タイトな状況でもドリブルを止めないハンドルへの自信と、ディフェンスをズラすためにさらに多くドリブルをつけるハンドリング、そしてシュートを打ちきるんだという意識と実行力(クリエイティビティ)がモノをいう。RYOはそれをやり通した。どんどん夜の帳がおりて、アーバンな雰囲気がプンプンしてくる歌舞伎町のど真ん中で、道ゆく人を振り向かせていく。当然、どちらのチームもやり合うので、その相乗効果でさらに輝き出すプレーもあった。NYCで見たあの光景と比べる必要はないが、街そのものが持っているポテンシャルや、FATEが描いたアートコートの個性と素晴らしさ、さらにはそこにDYCKMANでもかつてはプレーし元々が公園バスケからキャリアをスタートさせたケビン・デュラントが寄与しているこのKDパークには、熱狂する要因(と余韻)があると思う。ここで、どれだけ多くの人を釘付けにできるか。ワケはわからなくても、面白いとか素敵な絵だと思わせることができるか。そういう可能性をずっと信じながら、go parkeyはナイトゲームもプッシュしていきたい。だから、RYOをはじめジョインしてくれたプレーヤーたちが、思う存分にやりきってくれることがありがたい。そして、今はキッズでも、すぐに追いついてくるであろう成長著しいプレーヤーたちも、ミスを恐れずに、アタックする楽しさを満喫してもらえるようになってほしい。我々もラブゲーマーであり、プレーもするけれど、改めて、この日のRYOを見て、攻め疲れても、枯れることなく、アタックし続けることの大変さと楽しさを再確認させてもらったのだった。

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go parkey第一弾アートコート浜町公園。アーティストMURONE、リペイントスタート。

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灼熱ノ8月30日。歌舞伎町HooK UPS、スベテノコトト参加者ニアリガトウゴザイマシタ!