go parkey第一弾アートコート浜町公園。アーティストMURONE、リペイントスタート。

column 50

2022年4月にオープンしたgo parkeyが手がけたアートコート、第一弾の中央区浜町公園のリペイントがスタート。今回手がけるアーティストはスペインからやってきたMURONE。昨年のTriveバックアップの千葉は土気のアートコートも手がけたアーティスト。期間中はリペイントと同時にストリートブランドF.A.T.のヘッドショップでオリジナル絵画作品を展示販売するポップアップも開催。今回はもりもりと描きたいものを描きたおす彼についてのコラム。

Article_go parkey

We are playground basketball residents like pikeys!!!

グラフィティーアートのシーンでは、壁に描かれた作品に別の人が被せていくことを、「上をいかれる」という表現をもってして、ディスリスペクトな事象として語られる。そういう暗黙のルールというかプリンシプルにしているアーティストたちにとって、アートコートはまさに画期的なキャンバスだ。渾身のエナジーで描いた作品が、出来たそばから、キッズをはじめ多くの人々に踏んづけられる。美しい作品が、雑多な足跡のオンパレードになるわけで、まさに「上にいかれまくり」ということになる。それこそがアートコートでは完成の瞬間であり、歓声が上がるピックアップゲームを眺めながら、歌舞伎町のアートコートや吉川のアートコートで、FATEや舘鼻則孝らアーティストが、「彼らの楽しくバスケする姿を見て、ようやく完成したんだな」と満足そうに微笑んだのがこのプロジェクトの金言となっている。そして、今回。2022年に現代美術家の今井俊介が手がけてくれた、go parkey第一弾となる浜町のアートコートは、完成後、何度かフープのネットの取り替えとクリーンナップ活動をした。その上で、この公園特有の環境により、土砂の堆積やクラックが目立つようになったため、リペイントをすることになった。

先に書いておくが、このリペイントについては、今井俊介本人にも話をしている。その上で、今プロジェクトが内包している良い意味での「上をいく」リペイントをすることになった。次なるアーティストが、先駆者である最初のアーティストの作品を形成しているペンキ素地を、いわば下地として、さらに強固なアートコートをつくり上げるのだ。我々、go parkeyのリペイント・プロジェクトは、自らがつくったコートであれば、塗料を剥がす必要はない。同じ素材のものを使うので、最初に我々が整地して水平をとったコートに上塗りをしていくということになる。これは非常に理に適ったリペイント行為なのだ。今井俊介の素晴らしい作品の「上をいく(塗る)」MURONEの新しい作品。我々は、手がけアートコートにおいて、このダイナミズムある作品から作品へのリレーションシップをいつの日かすることになると思っていた。その1回目が今回の浜町公園となった。そして、MURONEは、今回は大阪でのミューラル制作を兼ねて来日をすることになった。精力的で、本国ではアートコートやスケボーパークをペイントしたまま隣接した壁も一人で描いてしまうほどのパワフルな人物。そのほとんどがドローイングやグリッドを使わずにフリーハンドでやってしまうというのも彼の特徴である。

go parkeyとしては、リペイントのリペイントに、フリーハンドでアップテンポなペイント作業という、通算8個目にして初めての試みが多いプロジェクトになる。刺激的でもある。MURONEは、パワフルだと先ほど書いたが、それは限りなくポジティブと想像力に富んでいることと同じであり、アイデアがとめどなく溢れている。その一環で、東京でアートコートをするなら、その時に(コラボなどでも繋がりが彼とある)F.A.T.でポップアップもできないだろうかと提案された。それも面白いと思った。なぜなら、彼がペイントするアートコートやペイントしてきたスケボーパークやミューラルのエレメントにもなっているようなオリジナル絵画をまじかで鑑賞できる。絵画のひとつひとつにはもちろんタイトルやテーマがあるのだけれども、なんとなくそれらを全部コラージュしたら、より大きなアートコートがつくれるんじゃないかって思えるのだ。そういう空想遊びができるのだ。今回展示している絵は、HARAJUKUとかROPPONGIとかSHINJUKUといった、彼の感性が捉えた東京の街のイメージ画になっている。それらをパーツとして、浜町のアートコートがラスボスのようにある気がして楽しい。

ということで、F.A.T.(ギャラリーではなくショップ)でエキシビジョンではなくポップアップだから、気さくにオリジナルペイントを手にとるように眺めることができる。それを楽しんだ後、浜町の公園に行って、彼の作業を見たり手伝ったりするのもいいかもしれない。そして、完成後はそこでぜひバスケットをしたらいいと思う。ということで、10月11日までF.A.T.では展示(と販売)をしています。売り上げは、F.A.T.もgo parkeyも手数料はとりません。全額アーティストの次なるプロジェクトに使ってもらいます。それもあって、オリジナル作品が破格のプライスになっています。ぜひ、見にきてください。そして、次なる彼の作品を追いかけてみてください。そうやって、バスケやファッションやアートコートなど、きっかけはなんでもいいから、プレイだけでなくそこから広がるアートや感性をブルブルさせていくのも楽しいはず。ということで、ガチのアーティストのMURONEによる、go parkeyでは8個目になるアートコート・プロジェクトが進行中です。よろしくお願いします。

Next
Next

灼熱ノ8月30日回想録。NYCデ見タDIYCKMANカラ歌舞伎町HooK UPSヘ。ソノ余韻。