go parkeyノ2025年LVGM、盛リ上ガリノアトサキ。公園ハ続クヨドコマデモ。
column 44
go parkeyによる公園バスケでのキッズクリニックとエキシビジョンゲームがコンバインしたイベント、ラブゲーム(#LVGM)。今回は、その無事開催、盛り上がった大久保公園のイベントについてのAFTER WORDS。
Article_go parkey
Photo_Kenji Nakata
We are playground basketball residents like pikeys!!!
30年以上前の話。ローカルスポットの公園でバスケをしていた。初めて見る顔のキッズが声をかけてきた。小学校でバスケしてると下手だと言われて悔しい。もっとバスケがうまくなりたいから、教えてほしい。こっちだって学校でバスケを教わったわけじゃない。ずっと公園でバスケして学んだというより覚えてきた、沁み込ませてきただけだ。それでもいいんだとすぐにわかった。ひたすら一緒に、公園で、バスケを、やりあった。年齢もフィジカルも関係なしだ。どれだけフープにシュートを叩き込み、相手からリバウンドをもぎ取るか。そのためのメソッドは自分で見つけ出していく。それを沁み込ませていく。月日が流れて、気づけばお互いに沁み込ませたものは、バスケのスキルだけでなく、バスケが好きだという何物にも変え難い感情だった。だから、それからどんな道を進もうとも、お互いにそれぞれ紆余曲折があったとしても、公園バスケで沁み込ませたものは普遍的なものとなった。イコール、2人のリレーションシップは今なお続いている。
go parkeyでは、公園バスケで育まれたバスケへの感情や自身のスキル、さらにはそのコミュニティにおけるモラルやルール、それに美意識といったものをラブとかラブゲーム(LVGM)という言葉で表現している。その環境を大切にすることは、ゴミ拾いや相手へを敬う気持ちなどが自然に培われるものだと信じている。それは、実際に国内外の公園で経験してきた代表のABのスタイルを確立しているといっていい。そして、それは『やってはいけないこと』『やらなければいけないこと』を羅列していくものではなく、自主的にその環境で感じ取り育んで沁み込ませていくものだと思っている。キャンペーンではない。フランスのボルドーを拠点に活動する、ヨーロッパのスタースケーター、レオヴァルスらのアプローチは、非常に面白い。というか、賛同する。スケボーをやってはいけない、スケボーはパークでフェンスの中でやれ、そうではなく、スケボーと街がどうやって共存するのかを真剣に考えて、そのやり方を提案し続けている。禁止の看板は消え、スケボーしていい時間が表示され、街はカウンターカルチャーを体現する若者と、ヒストリックな佇まいを愛する一般市民と、それぞれが共存し理解を深めて、新しいカルチャーの形を築き始めている。
やってはいけないと書かれていないから、やっていい。のではない。公園でどのようにして遊んで、どんな風にハッピーに使うのか。それは自主的に理解したり、公園のパイキーたちと交流しながら育んでいくもの。そして、モラルとバスケを沁み込ませていく。ということで、今回のLVGMのイベントは、公園バスケを通じて知り合って、バスケをやり合ってきたかつてのキッズが、今のキッズと大いに遊んだ1日だった。『小学校でバスケしてると下手だと言われて悔しい。もっとバスケがうまくなりたいから、教えてほしい』と言ってきたキッズは、高校・大学と都内有数のバスケ名門校でプレイしプロとなり、八王子ビートレインズ U15のコーチとして、アートコートに舞い戻ってきた。そして、『こっちだって学校でバスケを教わったわけじゃない。ずっと公園でバスケして学んだというより覚えてきた、沁み込ませてきただけだ』と言って、プレイとセッションでアンサーした男は、公園バスケのパイキーになりながらsomecityや名うてのストリートリーグでアイデンティティーを発揮し紆余曲折を経てプロとなり、今度はアースフレンズ東京Z U15のコーチとして、アートコートに立ったのだった。
公園バスケとプロリーグを知る2人のコーチとgo parkey代表のABは、さまざまなシーンでセッションしてきた。全員が口を揃えて言う、『公園バスケによって育んできたリレーションシップとラブゲームなマインドセットが結びつけてくれた』と。だからこそ実現した未来のBリーガー(アリーナバスケの完成形)による公園バスケでのゲーム。上級生のゲームは20分の前後半ゲームで65対40でアースフレンズ東京Z U15が勝利。下級生のゲームは10分の前後半ゲームで44対35でアースフレンズ東京Z ユースが勝利。スコアがあって競い合うものだから、勝敗はつくものだ。ただ、そういう数字の部分ではない、『やり合い』は両チームとも素晴らしいセッションだった。ディフェンスはどんどん当たっていくタフさ。それを受けるオフェンスもパスに逃げることもなくドリブルを止めないで仕掛けていくポジティブさ。失敗を恐れずにヤングガンなプレーヤーたちは前へとプッシュし続ける。またその仕掛けたハートによる失敗を咎めることをしないコーチングは、さらにプレーヤーに前向きな気持ちと自信を沁み込ませていく。もっと前へ。もっと楽しんで。そういうムードがとてもいい。たまにクラックが出来てしまうイレギュラーなコートではハンブルもミスもつきもの。そのミスを取り返すアクションはさらにつきもの。それが公園バスケのファンダメンタル。
ということで、激しくも美しい、ポジティブでしかないゲームは想像以上に盛り上がった。その前にクリニックを体験したキッズたちもアートコートの上で遊んで、見て、そんな今と近い未来をリンクさせた出来事にもなったのだった。30年以上前、とあるローカルスポットの公園でバスケでセッションした2人が、時を経てアートコートの上でセッションする。これは2人だけの物語のようで、このようなことがNBAスターのケビン・デュラントはじめ色々な公園と人々の間で紡がれているのだろう。せっかく出会えたバスケを嫌いにならないでほしい。どんな環境、形、レベルでも、バスケが好きだった気持ちは大切にできたらいいな。部活でつらいとか、レベル的なカーストに悩んでいるなら、またケガして思うようにできなくなったとか、どんな理由であれ、バスケを好きだった気持ちさえも手放してしまいそうになったとき、公園バスケを思い出してほしい。公園バスケはランクなんかない。公園は無数にある(はずだ)。そして、go parkeyがリノベーションするアートコートにはモラルと同時に自由がある。誰もが主人公。そこに来て、楽しく正しくプレイすればいい。そんなことを、LVGMで少しだけでも共有できたら。そして、いつかその体験を思い出してくれたら。思い出しながら、ちょっと笑っている自分に気づけるんじゃないだろうか。
そして。ここから30年後。公園バスケでハッスルキッズを見ながら、むかーしむかしのキッズの2人が、勢い、そこに混じってセッションをはじめる。そんな光景を楽しみにしている。そして、そんな光景の舞台装置としてもgo parkeyのライトエナジー、ガチのアートコートが存在できてるように今後も活動を続けていくのだ。